谷川岳 厳冬期雪上講習と登山
2026年最初の登山として、1月3日(土)~4日(日)の1泊2日の日程で、谷川岳で厳冬期におけるアドバンス雪上訓練とトマの耳・オキの耳登頂を実施しました。計画は、1日目に天神尾根手前で訓練ののち熊穴避難小屋付近に移動して冬期テント泊、2日目に谷川岳に登頂の予定でしたが、強風のため登頂は断念。厳冬期の谷川岳の厳しさを身をもって再認識する山行となりました。
【コース】
1日目:谷川岳ヨッホ…ゴンドラ…天神平…熊穴避難小屋…幕営
2日目:熊穴避難小屋…天神平…ゴンドラ…谷川岳ヨッホ
【担当ガイド】
・小林央和
初日は、ゴンドラで天神平に移動後、斜面を利用してスノーポラードの作成、スタンディングアックスビレイ、アックス埋没によるアンカーの作成を練習しました。いづれも、通常の雪山登山から、バリエーションルートにレベルアップしていく際に必要となる冬山における支点構築技術となります。
スノーポラードは、踏み固めた雪を支点として懸垂下降などに利用する技術です。作成時の注意点を説明しながら、作成してもらい、最後は、ご自身でその安全性を確かめてもらいました。仮に崩壊しても、下はふかふかの雪ですので安全です。
スタンディングアックスビレイは、踏み固めた雪上にピッケルを突き刺し、そこをアンカーとして、ロープで後続の方をビレイする際によく用いられます。講習では、作成時及びビレイ時のコツを説明しながら、実際に滑落したガイドを止めてもらう練習を行いました。
アックスを雪面に埋めてアンカーとする方法については、注意点を説明しながら作成してもらい、実際に体重をかけて安全性の確認をしました。特にアックスを埋める位置や、浮き上がらないようにする工程がポイントとなります。
講習を終え熊穴避難小屋に向けて夏道を移動を開始しましたが、深雪で一時腰上ラッセルとなってしまい、大幅に時間がかかってしまいました。熊穴避難小屋までの到達が困難なことが予想されたため、ラッセルを時間で区切り、14時になった時点でテン泊とすることとしました。雪山登山における計画の柔軟性の重要さやテント設営時の場所選定・注意点などを説明しながら、一緒にテントを立てしばし休息しました。やはり、谷川は豪雪地帯ですね。あらためて実感!
夜中に目が覚めると、天候がものすごく荒れており、グオオオオオオー!ヒュウゴーーー!!と唸り声のような物凄い風の音が断続的に続いていました。テントは、風を受け天井が顔の近くまで下がるほどたわんでおり、まともに風の当たる場所なら飛ばされていたかもしれないほどの威力でした。参加者の方からは「風の強さに驚くとともに、恐怖で寝ることができなかった。今回、テント設営場所の選定がいかに重要かを知ることができたのは、非常に有意義であった」とのお言葉を頂戴しました。
2日目の朝、風は夜中と比べていくぶん弱まっていましたが、それでもまだ強風に変わりなく、昨日つけたトレースがすべて埋まっていました。風の強さから、ゴンドラの運休も視野に入れオキの耳への登頂は諦め、下山することにしました。雪で埋まったルートをラッセルしながら戻ると、途中別パーティーの方と合流し、総勢6人でラッセルを交代しながら天神尾根に向かかいました。天気予報に反し、徐々に天候は回復し無事に下山することが出来ました。下山すれば天候は回復・・・登山にはよくあることですが、下山を決定するタイミングは間違っていなかったでしょう。登頂はまた次回!厳冬の谷川岳にまた来たいと思います。
※事務局より
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