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レポート

ジャンダルム 西穂高岳~奥穂高岳縦走 

ジャンダルム 西穂高岳~奥穂高岳縦走 

2025年8月30日(土)~9月1日(月) の2泊3日の日程でジャンダルム(西穂高から奥穂高岳)に行ってきました。ジャンダルムは、穂高連峰の奥穂高岳の西南西にあるドーム型の岩稜で標高は3,163メートルあります。3,000メートルをこえる標高ですが、奥穂高岳(標高3,190メートル)の付属(前衛峰)と捉えられているため日本の3,000メートル峰には数えられていません。ジャンダルムという名前は、尾根上の通行の邪魔をする岩という意味合いでスイスアルプスのアイガーにある垂直の絶壁「Gendarme 」(通称)に由来していると言われています。ジャンダルムとはフランス語で「憲兵」という意味です。

【コース】
1日目:新穂高温泉…西穂高口…西穂山荘【泊】
2日目:西穂山荘…丸山…西穂独標…ピラミッドピーク…チャンピオンピーク…西穂高岳…赤岩岳…間ノ岳…間天のコル…逆層スラブ…天狗岩…天狗のコル…畳岩尾根ノ頭…コブ尾根ノ頭…ジャンダルム…ロバの耳…馬の背…穂高岳…穂高岳山荘【泊】
3日目:穂高岳山荘…ザイテングラード…涸沢…パノラマコース…徳沢…上高地

【担当ガイド】
・チーフガイド:小暮洋一
・サブガイド:須永栄信

1日目:西穂山荘まで

ジャンダルム山行

8月30日(土)、岐阜県奥飛騨温泉郷の平湯温泉に集合し、バスで新穂高温泉に移動。新穂高ロープウェイで西穂高の登山口を目指します。初日は西穂山荘までですのでリラックスした気分です。

ジャンダルム山行

第2ロープウェイから登り始めて約1時間で、西穂山荘に到着です。夕食の時間まで、1階のレストハウスで過ごしました。

ジャンダルム山行

6時前に夕食。食事に先立ち、山荘支配人で気象予報士の粟澤さんより、明日の気象予想と奥穂高岳・ジャンダルム山行について貴重なアドバイスをいただきました。

ジャンダルム山行

明日は2時起き3時出発。しっかり食べて、早めに就寝です。

2日目:西穂高~奥穂高岳縦走 ジャンダルムに登る!

ジャンダルム山行

8月31日(日)、予定通り朝3時に西穂山荘を出発します。天候は晴れ。気温は若干肌寒いくらいです。星空がとてもきれいでした。まずは丸山、西穂独標を目指します。

ジャンダルム山行

ヘッデンで足元を照らしながらゆっくりと登り、スタートして1時間で西穂独標に到着しました。いいペースです。

ジャンダルム山行

まだ稜線と空の区別もつかないほど暗い中、いくつかのピークを踏みながら西穂高岳を目指します。西穂高岳は主峰の西穂高岳を第1峰とし、13峰のピークを連ねています。ちなみに、西穂独標は11峰。

ジャンダルム山行

空が白々としてくると、明神岳、前穂高岳の稜線のシルエットが浮かび上がります。ピラミッドピーク(8峰)、チャンピオンピーク(4峰)と登り下りを繰り返しているうちに夜が明けてきました。

ジャンダルム山行

夜が明け、前方に前穂高岳が迫ってきました。飛騨側の斜面を登り詰めていきます。

ジャンダルム山行

左手には笠ヶ岳、抜戸岳の稜線が朝陽に輝いています。

ジャンダルム山行

振り向くと、登ってきたいくつものピークと焼岳、乗鞍岳が雲間に浮かんでいます。

ジャンダルム山行

西穂高岳に到着です。西穂山荘を出発してから2時間40分、いいペースで登ってきました。

ジャンダルム山行

西穂高岳で展望を楽しんだあと、いよいよ難ルートに歩を進めます。

ジャンダルム山行

西穂高岳から赤岩岳、間ノ岳を急峻な登り下りを繰り返します。でも天気のコンディションがいいので快適です。

ジャンダルム山行

槍ケ岳と黒部源流域方面の山々。素晴らしい眺望ですね。

ジャンダルム山行

間天のコルから難所の一つである逆層スラブの登りが始まります。この急登を登って天狗の頭を目指します。見上げると迫力のあるスラブです。

ジャンダルム山行

岩の弱点を見つけながら、確実に登ります。

ジャンダルム山行

逆層スラブを登りきると天狗ノ頭に到着です。神経を使う繰り返しのアップダウンで疲労感を感じたら水分補給でカラダのリズムをもとに戻すことが大切ですね。

ジャンダルム山行

天狗ノ頭から厳しい下降ののち、このルートで一番標高の低い天狗のコルに到着しました。天狗のコルからは天狗沢を下れば岳沢小屋につながります。岳沢の雪渓にクマの姿がありました。今年はほんとうによく見かけます。

ジャンダルム山行

天狗のコルで長めの休憩をとって気分をリセット。この縦走で一番長い登りの始まりです。ジャンダルムまではコブ尾根の頭などを越えていかなくてはなりません。

ジャンダルム山行

浮石に注意を払いながら、確実に登っていきます。ピンと張られたショートロープに安心感があります。

ジャンダルム山行

コブ尾根の頭を通過してジャンダルムに向かいます。雨や風が強ければ歩けない場所ですね。

ジャンダルム山行

ジャンダルムが目の前に現れました。ここから取付きまで一旦下ります。

ジャンダルム山行

ジャンダルムは、一般的には西穂側から登ります。取付きから10分程度で登れますが、落石にはじゅうぶんに注意を払わなくてはなりません。

ジャンダルム山行

出発してから9時間半。念願のジャンダルムに到着です。天気は最高!天使はいなくても、所期の目的を達成して大満足の記念撮影です。

ジャンダルム山行

ジャンダルムから降り、ロバの耳への登りです。ゴールの奥穂高岳へはもうひと頑張りです。

ジャンダルム山行

ロバの耳は、急な下りや断崖のトラバースなど、難所が続きます。

ジャンダルム山行

ジャンダルムとロバの耳を通過して、最後の難関「馬の背」に向かいます。こちらから見ると、ロバの耳の急峻さがよくわかりますね。

ジャンダルム山行

馬の背に挑戦です。馬の背は、ナイフリッジで、リッジの長野側を登るのがセオリーです。岩と足場はしっかりしているのですが、ロープを岩にまわしてフィックスロープにしながら慎重に登りました。

ジャンダルム山行

岩に「貼り付いている岩」の淵に乗りながらゆっくりと進みます。スッパリときれ落ちていて高度感がありますね。

ジャンダルム山行

核心部でもカメラを向けられればこの表情!もちろん、油断は禁物です。

ジャンダルム山行

馬の背を越えて、あとは穂高岳山頂へのヴィクトリーロードです。

ジャンダルム山行

奥穂高岳に到着です。西穂山荘を出発して10時間、今日最後のピークである奥穂高岳の山頂で無事ゴールです。天候に恵まれ、本当に充実した縦走となりました。

ジャンダルム山行

穂高岳山荘に下り、他の登山者さんに記念撮影をしていただきました。皆さん、やり切った表情ですね。

3日目:パノラマコースで下山

ジャンダルム山行

下山の朝です。朝食後6時に下山を開始しました。

ジャンダルム山行

涸沢ヒュッテを目指してザイテングラートを下ります。

ジャンダルム山行

涸沢からの下山にはパノラマコースを選択しました。パノラマコースは限られたこの時期にのみ通れるルートです。トラバースのルートですので注意が必要です。

ジャンダルム山行

ルート上からは、涸沢カールがよく見えます。

ジャンダルム山行

屏風のコルを越えれば、奥又白谷まで一気に下りとなります。

ジャンダルム山行

梓川右岸の林道に出ればパノラマコースの終点です。徳沢まであと少し。

ジャンダルム山行

徳沢に到着しました。ここまで来るとほんとうに「ゴール」という感じです。ここで「ジャンダルム・大キレット《よくばりバリルート》」に参加されたみなさんとバッタリ遭遇!「お互いに行けてよかったね!」。

3日間の山行お疲れ様でした。素晴らしい縦走をご一緒出来てほんとうによかったです。また、ご一緒しましょう!

※事務局より
ダンプリングでは少人数でのグループイベントもお引き受けいたします。気心の知れたお友達同士だけのグループ山行をダンプリングのガイディングでお楽しみください。ご希望の山域がございましたらお気軽にご相談ください。

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