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レポート

八峰キレット(爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳・唐松岳)

八峰キレット(爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳・唐松岳)

2025年8月1日(金)~4日(月)の3泊4日の日程で八峰キレット(爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳・唐松岳)を縦走しました。扇沢・柏原新道から入山し、八方尾根を下るまで、日本三大キレットの一つである八峰キレットを通り、おもに6つのピークを踏みます。4日間の長い行程でしたが、天候に恵まれ、充実した縦走を楽しむことが出来ました。

【コース】
・1日目:扇沢…柏原新道…種池山荘【泊】
・2日目:種池山荘…爺が岳…冷池山荘…布引山…鹿島槍ヶ岳…八峰キレット…キレット小屋【泊】
・3日目:キレット小屋…北尾根の頭…G5…G4…五竜岳…五竜山荘…大黒岳…牛首の岩場…唐松岳頂上山荘【泊】
・4日目:唐松岳頂上山荘…唐松岳…唐松岳頂上山荘…丸山…八方池…白馬

【担当ガイド】
・須永栄信

初日

8月1日(金)、予定より早く扇沢に到着し、10時前に柏原新道登山口に向かいました。今日の行程は種池山荘までです。

柏原新道をゆっくりと登っていきます。扇沢が見下ろせるようになると展望が開け、北アルプス三大雪渓の針の木雪渓の向こうに針の木岳、スバリ岳の稜線が見えてきました。

柏原新道は最初は尾根づたいに高度を上げますが、途中からトラバース気味にルートをとります。途中沢を詰めて通過する場所に雪渓が残っていました。シュルンドが出来ている雪渓の上を慎重にわたりました。

スタートして3時間半ほどで種池山荘に到着しました。テント泊の登山者も多く、金曜日ですがなかなかの賑わいです。

夕立のような雨がザっと降りましたが、日没の頃にはきれいな夕焼けを見ることが出来ました。針の木岳、蓮華岳の山並みがとてもきれいでした。明日の長い縦走にそなえて早めに就寝です。

2日目

8月2日(土)、朝5時に種池山荘を出発しました。今日も晴れの予報ですが、登山道は風が運ぶ雲の中です。登山道脇の花を楽しみながら歩きます。ここから爺が岳のあいだで、熊の親子に遭遇したり、目撃されたりしています。どうも同じ個体のようだということでした。

小屋を出発して1時間ほどで爺が岳南峰に到着しました。

南峰から10分ほどで中峰に到着です。爺が岳は標高2,669メートルの中峰に三角点があります。なお、北峰は立ち入ることが出来ませんので、ピーク下を通過します。

冷池乗越までの間に今日最初の雷鳥に遭遇しました。両足に足輪がありました。色の組み合わせで個体が識別できるようです。

7時半前に冷池山荘に到着。30分ほど休憩時間を取りました。

冷池山荘を出発するころには、ガスも晴れるようになりました。沿道の花がみな太陽に向かって咲いています。

冷池山荘から布引山までは、起伏も少なく快適な稜線歩きを楽しむことが出来ました。立山連峰と剱岳を見ながら気分良く歩けます。

布引山をあとに、しばらくザレ場を登っていきます。鹿島槍ヶ岳はもうすぐです。

10時前に鹿島槍ヶ岳(南峰)に到着しました。雲はあるものの、素晴らしい景色です。

雲間からの剱岳の姿が素晴らしい。

南峰でヘルメットとハーネスを装着して吊尾根に向かいます。北峰へは登らず、吊尾根分岐から八峰キレットを目指します。

八峰キレットは鎖とハシゴが連続する急な登下降のルートです。

足元に注意をはらい、鎖を利用しながら慎重に歩きます。

谷は深く切れ込んでいます。

鹿島槍から2時間ほどを要し、無事キレット小屋に到着しました。今日の歩程は7時間半ほどでした。

キレット小屋からの景色です。剱岳から南峰の稜線と、その向こうは毛勝山の稜線でしょうか。明日も長い一日になるので、夕食をとった後は早めに休むことにしました。

3日目

3日目の朝も、5時に小屋を出発しました。3日目は岩稜帯のアップダウンが続きますので、今回の縦走で体力的には一番ハードな一日なります。まずは、五竜岳を目指します。この間の縦走が一番面白いかもしれません。

キレット小屋を出発して、ハシゴ、鎖の連続した下りを進み、北尾根のかしっらに到着しました。立山連峰と剱岳が相変わらず素晴らしい。

北尾根の頭で休憩したあと、いよいよ五竜岳に向かいます。ここからは登りになります。G5、G4とガレ場とやせ尾根のあいだを縫うようにして進んでいきます。

ペイントマークをしっかり見て進まないとルートロスすることがあるので、足元だけではなく、全体を見ながらルートを確かめます。

キレット小屋を出て5時間余りで五竜岳に到着しました。五竜岳山頂は貸切で、360度の展望を楽しみました。

五竜岳から50分足らずで、五竜山荘に到着です。のども乾き、コーラと軽食をとってゆっくりしました。まだ、これから一山越えなければなりません。

五竜山荘でかだに水分を補給し、今日の最終目的地である唐松岳頂上山荘に向けて出発です。今日最後のピークである大黒岳、牛首の岩場を目指します。

大黒岳を登ると、鎖場が連続する牛首の岩場が現れます。疲れているので、さらに注意しながら岩場を歩きました。

唐松岳頂上山荘の到着です。8時間の長い歩程でしたが、暑い中、よく歩きました。唐松岳へは明日の朝登りたいと思います。

4日目

4日目の朝です。唐松岳山頂でご来光を見ようということで、朝食前に唐松岳山頂に向かいました。少し風がありましたが、問題なく山頂に到着です。道標が移動していました。

5時少しまえに日の出です。雲海がとてもきれいでした。

朝陽を浴びる、不帰ノ嶮と白馬岳に続く稜線もきれいです。しばらく朝の山頂を楽しみ、小屋に戻って朝食をとりました。いよいよ下山です。

6時に朝食を終え、八方尾根を下山開始です。雲海を見ながらの下山もいいものです。

八方尾根には花がたくさん咲いています。少し歩けばまた立ち止まり、の繰り返えしです。

遠見尾根を眺めながら、昨日まで歩いてきた山並みを思うと感慨深いものがあります。

下山の終わりに八方池に立ち寄りました。最後まで素晴らしい景色を見ることが出来た、充実した4日間の縦走となりました。

※事務局より
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