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レポート

馬蹄形縦走(反時計回り)

馬蹄形縦走(反時計回り)

2024年10月12日(土)~14日(月)の二泊三日の日程で白毛門から谷川岳までを歩く馬蹄形縦走をしてきました。馬蹄形は、土合橋登山口を出発点として四阿山まで100キロ続く「ぐんま県境稜線トレイル」の谷川エリアの一部で、白毛門から谷川岳まで八つのピークを周回するように縦走する人気のクラシックルートです。初日は登山口付近で宿泊するだけですので、実質は一泊二日の行程です。縦走の一日目は、土合から清水峠の避難小屋まで。二日目は清水峠から谷川岳までを歩き、ロープウェイで下山する反時計回りの行程です。

【コース】
1日目:民宿泊
2日目:6:30土合橋登山口…9:40白毛門…10:50笠ヶ岳…12:30朝日岳…13:00ジャンクションピーク…14:30白崩避難小屋【泊】
3日目:5:40白崩避難小屋…6:40七ツ小屋山…7:30蓬ヒュッテ…8:45武能岳…10:30茂倉山…11:00一ノ倉岳…12:20オキの耳…トマの耳…13:00肩の小屋…14:30天神平

【担当ガイド】
・須永栄信

1日目:白毛門から清水峠へ

馬蹄形縦走

縦走は朝早くから8時間以上の歩程となるため、湯檜曾の民宿に前泊しました。車で土合橋の駐車場に移動し準備をします。今回は避難小屋泊の予定ですので、シュラフや水などを背負いますのでザックが重くなります。久々の晴天の連休で、オートキャンパーも多く大混雑の土合でした。

白毛門

白毛門へは一本の尾根を3時間ちょっと直登します。樹林帯の急登を抜けると松ノ木沢ノ頭から岩場が出てきますので、ゆっくりと登ります。

白毛門

出発してから3時間と少しで白毛門に到着です。後ろには谷川連峰の全景を見ることが出来ます。素晴らしい眺望でした。

馬蹄形縦走

白毛門から、次のピークの笠ヶ岳へのルートが見えます。その先に朝日岳。2つ目のピークを目指していよいよ縦走の開始!といった感じです。

笠ヶ岳山頂

白毛門からいったん下降し、そのあと直登して笠ヶ岳に到着です。行動食をとりながら休息です。谷川岳の眺めが素晴らしいロケーションです。

朝日岳 馬蹄形縦走

笠ヶ岳から朝日岳に向かいます。朝日岳は谷川岳の対岸にあるピークの中では一番高く、いくつかのアップダウンを繰り返して高度を上げていきます。草紅葉と熊笹のあいだを快適な縦走路が走っています。

朝日岳

土合を出発してから6時間で朝日岳に到着です。300名山に数えられる朝日岳は広いピークを持つ山で北側には朝日ケ原という湿原を擁しています。ここで昼食の時間をとりました。

朝日岳馬蹄形縦走

朝日岳から朝日ケ原の湿原を下ります。草紅葉がとてもきれいでした。

朝日岳馬蹄形縦走

朝日ケ原には池塘が多数あります。雪解け後は高山植物が多いのでしょう。初夏にまた登ってきたい場所です。

ジャンクションピーク

ジャンクションピークに到着です。ここから巻機山に続く稜線がのびています。道標には難路とあります。無雪期よりは積雪期のルートといえるでしょう。

馬蹄形縦走 清水峠

ジャンクションピークを過ぎると、前方に清水峠にある送電線の監視所が見えます。今日の宿泊地です。

馬蹄形縦走

紅葉は最盛期ではありませんでしたが、草紅葉と熊笹の緑のコントラストがとてもきれいでした。

白崩避難小屋

清水峠にある白崩避難小屋に到着です。避難小屋はまだ「空き」があり、寝場所を確保することが出来ました。

谷川岳

避難小屋で荷ほどきをし、近くにある水場で水を補充し、夕食を食べて、早めに就寝です。谷川岳を覆うように雲がかかっています。明日は6時に出発の予定です。

2日目:清水峠から谷川岳まで

白崩避難小屋

縦走2日目の朝です。明け方から風が吹き出しました。晴れてはいるものの、強風が雲を運んできます。レインウエアを防寒・防風対策用に着ます。予定より少し早めに出発することにしました。

風は強く、風速は10~15m/秒もあったでしょうか。雲が速いスピードで流れていきます。一ノ倉岳に着く頃までずっと吹き続けていました。

馬蹄形縦走 大源太山

雲が切れると、新潟県側は晴れていることがわかります。大源太山に朝陽が当たってきれいでした。

七つ小屋山

出発して1時間ほどで4つ目のピークとなる七ツ小屋山に到着しました。風が強く、記念撮影もそこそこに、次のピークへ出発です。

馬蹄形縦走

新潟県側は快晴です。湯沢の街が見えます。・・・その先は日本海ですね。

馬蹄形縦走

草紅葉と熊笹の登山道をひたすら登ります。遠くに出発した白崩避難小屋が輝いています。相変わらず風は強く、晴れていてもレインウエアは着たままです。

蓬ヒュッテ

蓬峠を通過。蓬ヒュッテは馬蹄形にある唯一の有人の小屋で土樽へ下りる分岐点となっています。この日は小屋番さんは不在で、小屋は閉まっていました。

馬蹄形縦走

馬蹄形の縦走路はどこにいても、歩いてきた山々を見渡すことが出来ます。絶景でなかなか足が前に進みませんね。

武能岳

標高1,759メートルの武能岳に到着です。清水峠から約250メートル登ってきたことになります。このあと茂倉山に行くには、再度200メートルほど下り、さらに400メートル登り返さなければなりません。

馬蹄形縦走

武能岳の急坂を下り、約400メートルを登り返します。雲は無くなりましたが、風は強いままです。でも、紅葉の景色が素晴らしい。ただ・・・ロープウェイの運転が中止にならないか心配になってきました。

茂倉山

10時半ころ、茂倉山に到着しました。茂倉山も土樽へ下る登山道の分岐点になっています。標高は1,900メートルを超えていますので、ここから谷川岳までは小さなアップダウンだけです。

馬蹄形縦走

茂倉山から一ノ倉岳に向かいます。快晴の縦走路が気持ちいいです。

馬蹄形縦走

ここまでくると、初日に歩いた「対岸」を一望できます。遠くに今日出発した避難小屋、その向こうに巻機山の稜線が見えます。よくここまで歩いてきました。

一の倉岳

11時、一ノ倉岳に到着です。すれ違った方にロープウェイは運転していると聞き、思わず「やったー!」と喜び合いました。風も次第に収まってきて、気分は上々。あとはフィナーレの谷川岳を残すのみとなりました。

谷川岳

一ノ倉岳から谷川岳までは一度下ってから、岩場が多い登山道の登り返しになります。ロープウェイで下山できることが分かったので、足取りも軽やかです。

オキの耳

奥の院の岩場を通過し、12時過ぎに八つ目のピークとなる谷川岳(オキの耳)に到着です。馬蹄形縦走の八つのピークをコンプリート!

谷川岳は多くの登山者で賑わっていました。ザックをおろして残りの行動食を食べながら休憩しました。トマの耳は記念撮影の行列ができていたので山頂を通過。肩の小屋経由で天神尾根を下山して縦走はフィナーレです。

馬蹄形縦走 谷川岳

天神尾根から谷川岳を見上げると、ここまで歩いてきたことの充実感に浸ることが出来ました。二日目の強風は予想外でしたが、秋の谷川連峰を満喫することが出来る大変充実した馬蹄形縦走となりました。ロープウェイで下山したあとは、土合山の家で温泉に入り帰路につきました。

※事務局より
ダンプリングでは少人数でのグループ登山もお引き受けいたします。ご希望の山域がございましたらお気軽にご相談ください。