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レポート

裏銀座縦走から笠ヶ岳と高天原温泉

裏銀座縦走から笠ヶ岳と高天原温泉

2024年8月6日~10日の4泊5日の日程で、裏銀座から高天原湿原往復をはさんで笠ヶ岳まで縦走しました。このイベントはお客様のリクエストによる山行企画です。毎日が長い距離の移動でしたが、5日間ともに雨も降らず、充実した縦走となりました。

【コース】
1日目:高瀬ダム…ブナ立て尾根…烏帽子小屋…野口五郎小屋【泊】
2日目:野口五郎小屋…水晶小屋…岩苔乗越…高天原湿原…高天原山荘【泊】
3日目:高天原山荘…岩苔乗越…ワリモ岳…鷲羽岳…三俣山荘…三俣蓮華岳…双六岳…双六小屋【泊】
4日目:双六小屋…弓折乗越…弓折岳…大ノマ岳…抜戸岳…笠ヶ岳【泊】
5日目:笠ヶ岳…杓子平…笠新道…新穂高温泉

【担当ガイド】
・須永栄信

1日目

濁沢

七倉山荘からタクシーを乗り継ぎ(落石のため途中で下りて歩きます)、高瀬ダムから歩き出します。落石、土砂の多い濁沢を渡って登山口に向かいます。

濁沢の丸太橋

今年に入って二度流された丸太橋は、関係者さんの努力で復活しています(2024年9月にまた流されています)。不安定なので一人ずつゆっくりと渡ります。

ブナ立て登山口

ブナ立尾根の登山口に到着です。ブナ立尾根は北アルプス三大急登のひとつで、ザックが重いと大変です。この日は気温も高く、ゆっくりと高度を上げていきます。

烏帽子小屋

高瀬ダムから約5時間をかけて烏帽子小屋に到着です。烏帽子岳はお客様の希望でパスし、休憩後、野口五郎小屋に向かいます。裏銀座の稜線の縦走の始まりです。

烏帽子小屋と烏帽子岳

烏帽子小屋とニセ烏帽子岳。北アルプスの山小屋の屋根は赤が相場ですが、こちらと野口五郎小屋は青ですね。

烏帽子岳と立山

すこし高度を上げて振り向くと烏帽子岳が見えてきます。奥は立山連峰の山塊です。

裏銀座の登山道

裏銀座の稜線歩きが始まります。まずは野口五郎岳に向けて歩きます。

野口五郎小屋

烏帽子小屋から約3時間ほどで野口五郎小屋に到着です。

ブロッケン現象

野口五郎小屋ではすっかりガスに覆われました。稜線をはさんで片曇りの時にはブロッケン現象を見ることが出来ました。

野口五郎小屋の夕食

野口五郎小屋の夕食はカレーでした。ハートの目玉焼きが可愛いですね。

2日目

野口五郎小屋の朝

2日目の朝、5時半にスタート。野口五郎岳を経由して水晶岳に向かいます。

野口五郎岳

小屋から30分足らずで野口五郎岳に到着です。ここからの展望は素晴らしいのですが、今日はガスの中で展望はお預けです。

雷鳥

野口五郎岳から真砂岳をパスし、水晶小屋までのアップダウンを歩きます。東沢乗越を過ぎて水晶小屋のすぐ手前でライチョウに出会うことが出来ました。

水晶小屋

野口五郎小屋を出発して4時間足らずで水晶小屋に到着です。小屋の名物「力汁」をいただいて休憩しました。

高天原

水晶岳は厚い雲の中でしたので、ピークハントはパスし高天原湿原を目指します。水晶小屋から岩苔乗越に向かい、ここから3時間弱の下りで高天原湿原に到着します。ここまで下ると植生は変化し、シラビソの森に包まれます。高天原山荘にチェックインして温泉に向かいました。

高天が原温泉

高天原温泉は日本で一番遠い温泉として知られており、温泉沢という沢にあります。混浴のほかに、男女別のお風呂があります。山荘からは歩いて30分近くかかりますが、歩いても入る価値ありですね。

羽釜の夕食

山荘の食事は、羽釜で炊いた美味しいご飯を食べることが出来ます。ランプの宿で、とても趣きのある山荘でした。

3日目

高天が原を出発

3日目の朝、5時に高天原山荘を出発しました。朝のうちは雲も下がり、水晶岳が見えます。

黒部源流域

3時間半の時間をかけ岩苔乗越に戻り、裏銀座縦走コースに乗ります。ここからワリモ岳と鷲羽岳に登りました。鷲羽岳を下りるころには雲も途切れ、黒部川源流域を眼下に望むことができました。

三俣山荘

鷲羽岳を下り三俣山荘に到着しました。ここで昼食とサイフォンコーヒーを飲んで休息をとりました。

三俣山荘から三俣蓮華岳

三俣山荘で休息ののち、13時前に三俣蓮華岳に向けて出発しました。

三俣蓮華岳

三俣蓮華岳に登頂したときもガスで展望はありませんでした。このまま、双六岳に向けて歩きます。

天空の滑走路

双六岳でも雲の中でした。天空の滑走路は雲の向こうに続いています。

双六池

15時40分、双六小屋に到着です。高天原山荘を出発して約10時間。今回の縦走で一番長い歩程となりました。双六小屋ではテント泊をします。

4日目

双六から出発

4日目の朝、6時半に笠ヶ岳に向けて出発しました。風もなく静かな朝です。

双六岳

弓折乗越から稜線を歩き、弓折岳に到着です。ここからは、双六岳の姿がよくわかります。

笠ヶ岳

弓折岳大ノマ岳をを越えるとやっと笠ヶ岳の姿を捉えることが出来ます。まだまだ先はあります。

笠ヶ岳山荘

双六小屋から6時間半をかけて笠ヶ岳に到着しました。ここでもテント泊の予定でしたが、テント場の水が枯れていて水の制限もしていたため、テント泊をあきらめて小屋泊まりとしました。長い縦走も終わり、明日は下山となります。

5日目

夜明けの北アルプス

夜明け前の槍ヶ岳方面の空です。

雲海の北アルプス

最終日の朝、5時に笠ヶ岳を後にしました。雲海に槍ヶ岳が浮かんでいます。

杓子平と錫杖岳

杓子平はチングルマの綿毛の中を下りていきます。錫杖岳に雲間から日が当たります。杓子平平から笠新道を一気に下り、笠新道登山口に着いたのは10時半を過ぎていました。1時間ほどで新穂高温泉に到着し、温泉に入ってバスを待ちました。5日間雨に降られることもなく、充実した裏銀座縦走を経験することができました。

※事務局より
ダンプリングではリクエスト山行もお引き受けいたします。ご希望の山域がございましたらお気軽にご相談ください。