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レポート

劔岳 八ツ峰

劔岳 八ツ峰

8月10日~12日の2泊3日で、劔岳八ツ峰に挑戦いたしました。剱岳の八ツ峰は、日本三大岩稜の一つで、その名前のとおり大小8つの峰を擁するバリエーションルートです。標高差1,000mを超える長い尾根の1〜5峰は下半、6〜8峰を上半と呼ばれ、雪渓からのアプローチ、クライミング技術を要求される岩稜など、まさに剱岳のシンボルにふさわしいクラッシックルートということが出来ます。今回は、Ⅴ・Ⅵのコルから上半を登り剱岳山頂を目指す計画でしたが、雪渓の状態が激変して悪化していたためアプローチが困難な状態であったため断念。安全を最優先して、計画を長次郎谷の熊の岩までの登りに変更しました。

【コース】
1日目:室堂…剱澤小屋【泊】
2日目:剣沢小屋…剱沢雪渓…長次郎出合…熊の岩…長次郎出合…真砂沢ロッジ【泊】
3日目:真砂沢ロッジ…ハシゴ谷乗越…内蔵助谷出合…黒部ダム

【担当ガイド】
・小暮洋一

剣澤小屋を早立ちし八ツ峰へ


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2日目剣澤小屋を4:00出発。雪渓は剱沢の剣山荘への分岐近くから上がれました。

剱沢雪渓尾クレバス

雪渓は所どころがクレバスがあります。ここは完全に切れてました。もうじきここの通過も難しくなりますね。

平蔵谷出合い

平蔵谷出合いの下部に多くのクレバスがありましたので、一旦夏道に上がります。

夏道のスラブ帯

ここは夏道のスラブ帯です。

剱沢雪渓の一般道

これでも一般道です。

剱沢雪渓で残置されたロープ

残置されたロープ。補助的に使うのはいいですが、体を預ける気はしませんね。

悪化する雪渓

実は2週間前にここを歩きましたが雪渓はナムの滝から上は一枚でした。雪渓のコンディションが急速に悪化していました。

長次郎谷

長次郎谷で再度アイゼン装着。ついでに使用しない荷物もデポしました。

八ツ峰の雪渓

雪渓はⅠ・Ⅱ峰間ルンゼで完全に切れてました。Ⅴ・Ⅵのコルへ行くにはこれより下から右岸の岩を渡り歩くしかないようで、八ツ峰上部は時間的に厳しいと思い、I・Ⅱのコルに上がりⅤ峰までの下部に変更を考え、先行者のアイゼン跡があったので縁のギリギリまで行ってみましたが、とても渡れそうではありません。

八ツ峰のⅠ・Ⅱ峰間ルンゼに変更

結局、Ⅰ峰手前のルンゼから支尾根を越えⅠ・Ⅱ峰間ルンゼに行こうと試みました。

八ツ峰のスラブ

行く先にⅣ級程のスラブがありました。ギヤ不足もあり、ここで撤退を決断。

八ツ峰からロワーダウン

なんとか残置を見つけ、確保してロワーダウンします。

手前から右岸の岩に乗り移り、時間切れまで長次郎谷を上ることにしました。今回は熊の岩まで行き引き返しました。この日は救助ヘリが何度か飛んでいました。

シュルンドは1メートルくらい口を開いているところが一番狭く、そこを渡るのにロープを張りました。

下山はハシゴ谷乗越から黒四ダムへ

先々週流されていたハシゴ谷乗越へ向かう橋が復活していました。

黒部川沿いに歩き、ダム下の橋を渡れば、ファイナル20分の登りでダム上に着きます。今回の山行では、当初計画の八ツ峰上半は断念せざるを得ませんでしたが、奥劔におけるバリエーションルートで、リスクを回避し安全に下山することの大切さを実感した山行となりました。