menu
レポート

不帰の嶮

不帰の嶮

8月3日~4日の1泊2日の日程で不帰の嶮から唐松岳に登ってきました。大雪渓が通行止めのため、猿倉から白馬鑓温泉経由で天狗山荘へ抜けるルートを選択しました。2日間ともに天候も安定して、天狗尾根と不帰キレットの縦走を楽しむことができました。

【コースタイム】
1日目
6:00猿倉…10:00白馬鑓温泉…13:30鑓温泉分岐…14:00天狗山荘【泊】
2日目
04:00天狗山荘…04:20天狗の頭…7:40不帰2峰北峰…7:50不帰2峰南峰…8:40唐松岳…12:10八方池山荘

【担当】
・須永栄信

初日

猿倉

八方の湯からタクシーで猿倉に移動。ゆっくり時間をとって、6時に出発です。

不帰の嶮を鑓温泉経由で目指す

白馬大雪渓は、多数のクレバスが発生しており、2024年7月4日(木曜日)~2024年8月31日(土曜日)のあいだは通行止めとなるため、鑓温泉経由で宿泊地である天狗山荘を目指しました。

大雪渓

高度を上げていくと次第に雲が切れてきました。あの尾根の向こう側に大雪渓があるのでしょうか。

白馬鑓温泉へのルートにある三白沢

白馬鑓温泉へのルートは、小日向のコルを過ぎると、多くの沢を横切るようなルートを進みます。最初に三白沢を渡ります。ここには水場がありました。

白馬鑓温泉へのルートにある杓子沢

次は杓子沢。杓子岳のメインの沢?

杓子沢の雪渓

沢は崩壊した雪渓が大きな口を開けています。

白馬鑓温泉へのルートにある落石沢

杓子沢と鑓沢のあいだにあるいくつもの小さな沢に名前がついています。落石に注意。

白馬鑓温泉へのルートにある崩沢

名前の通り崩れています。

白馬鑓温泉へのルートにある鑓沢

鑓沢が通過した中ではいちばん大きな沢かもしれません。

もうすぐ白馬鑓温泉小屋

鑓沢を抜ければもうすぐ白馬鑓温泉小屋です。暑いので、手ぬぐいを被って登ります。

白馬鑓温泉に到着

出発してから4時間余りの登りで白馬鑓温泉に到着しました。ここで昼食をとります。足湯に入ろうか考えましたが、登るのがイヤになりそうだったので我慢しました。

ハクサンコザクラの群生

白馬鑓温泉小屋から約3時間の登りです。小屋を出ると、しばらく鎖場が続きます。下りてくる方たちと声を掛け合って登りました。急登を抜けると大出原に出ます。ここで、ハクサンコザクラの群生を見ることが出来ました。今まで見たのは数株ですが、これほどの群生は初めてで、驚きました。また、その奥には、クルマユリも群生していました。

ハクサンコザクラ

ハクサンコザクラはユキワリソウとならんで大好きな花です。これを見ることが出来ただけで、このルートを選んで正解の思いでした。

不帰の嶮の天狗の頭

天狗尾根に近づいてくると、天狗の頭が見えてきます。

白馬鑓ヶ岳

右を見れば白馬鑓ヶ岳が。そして、ガレ場を登ればやっと稜線です。

尾根の分岐

猿倉を出発して7時間半で稜線に到着です。長かったぁ!

天狗山荘への稜線歩き

天狗山荘への稜線歩きは、雪田の上も少し歩きます。時期が早ければさらに雪は多くなるので、登山靴だけでは気を遣うかもしれません。

ウルップソウ

ウルップソウがまだ咲いていたのにはビックリ!本州では、八ヶ岳と白馬、雪倉岳でしか見ることが出来ないお花です。カメラに収めて、天狗山荘にチェックインしました。

天狗山荘の食事

天狗山荘は、村営で設備も良く、食事も美味しかったです。

剱岳のシルエット

食後に、夕陽を眺めに外にでました。剱岳のシルエットがとてもきれいでした。日没を眺めてから宿に戻り、明日に備えて早めに就寝です。

2日目

不帰の嶮の天狗の頭

朝4時起床。朝食はお弁当に変更してもらい、早めに出発です。外は風も強く、雲の中でした。天狗尾根を進み、天狗の頭で日の出を見ようと思いましたがご来光は叶いませんでした。

不帰の嶮の天狗の大下り

まだ薄暗く、雲の取れないときに天狗の大下りに到着しましたが、先行者の方たちがルートを間違えていたので、声をかけました。あのまま下れば、昨年の遭難事故と同じことになる可能性もあります。晴れてくると、ルートも見通せるようになります。

不帰の嶮で見たブロッケン

天狗の大下りを通過して最低コル付近で朝食をとりました。座っていると雲がやってきてブロッケンを見せてくれました。剱岳もくっきり見えて気分上々です。

不帰の嶮一峰

しっかり休んでから一峰を登りました。一峰は富山側を登るのでまだ日影です。一峰からは不帰キレットの難所である二峰が目の前に聳えます。下を見れば鞍部に先行者の姿が小さく見えました。私たちもそこに向かってゆっくりと下りました。

不帰の嶮二峰

二峰に取り付き、難所への登りのスタートです。

不帰の嶮二峰のはしご

名物?の空中の梯子を抜けて長野県側にでると日差しを浴びて暑くなります。垂直の鎖場など次々に出てくる難所を慌てることなく登りました。

不帰二峰北峰

不帰二峰北峰に到着しました。

二峰南峰

二峰南峰へも気を緩めずに登ります。日差しを受けてとても暑かったです。

不帰二峰南峰に到着

8時前に不帰二峰南峰に到着しました。不帰キレット最大の難所はクリアしました。ちょっと安心。

不帰の嶮三峰

二峰を下り、富山側を歩いて三峰に向かいます。

三峰から唐松岳

三峰から唐松岳へは比較的楽な稜線歩きになります。三峰までくれば唐松岳はもうすぐそこ。八方尾根の下方に八方池が見えます。

唐松岳山頂に到着

約3時間のキレット越えで唐松岳山頂に到着です。剱岳はすっかり雲に隠れてしまいましたが、持参したコーヒーとケーキで休憩をとりました。

唐松岳のマツムシソウ

唐松岳頂上山荘に立ち寄ったあとは、八方池山荘に向けて下山です。たくさんの花に癒されての下山はまた楽しいひと時でした。不帰キレットの醍醐味と可愛らしい花々と、とても充実した一泊二日になりました。

※事務局より
ダンプリングでは少人数でのグループ登山もお引き受けいたします。ご希望の山域がございましたらお気軽にご相談ください。