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レポート

北鎌尾根

北鎌尾根

2023年9月9日(土)〜12日(火)に実施された北鎌尾根のレポートです。
槍ヶ岳へと続く、日本で有数のクラシックルートの一つ北鎌尾根へは湯俣から水俣川を遡上し、尾根の末端・千天の出合付近からが登るのが王道なのだろうが、夏季は藪が深く沢を離れてから水が取れないことなどから、最近では北鎌沢出合からとするのが一般的になっています。今回は水俣乗越を越え、上高地から水俣乗越までは一般登山道で、それ以降は完全なバリエーションルートになります。初日の上高地から槍沢ロッジと最終日の槍ヶ岳山荘から上高地の間のレポートは割愛させていただきます。

※行程
【1日目】
上高地(9:30)・・・徳沢(11:00)・・・槍沢ロッジ(14:00)
【2日目】
槍沢ロッジ(4:00)・・・水俣乗越(6:30)・・・北鎌沢出合(9:00)・・・北鎌のコル(12:00)
【3日目】
北鎌のコル(4:00) ・・・独標(8:00)・・・槍ヶ岳(12:50)・・・槍ヶ岳山荘(13:30)
【4日目】
槍ヶ岳山荘(6:30)・・・横尾(10:40)・・・上高地(13:50)

【担当ガイド】
・小暮洋一

ビバーク予定地は北鎌のコルで、余裕があれば独標手前まで行ければよい程度のアバウトな予定で4時に槍沢ロッジを出発。天井沢も水が無いと事前情報を得ていたので、ババ平で一人4リットルほどの水を汲み持つことにしました。北鎌沢出合で先行者の姿が見えたので、コルに着いた時点でこの先のビバーク地が使われている可能性もあり、また午後から雨の予報が出ていたので、予定通りコルでビバークとしました。

北鎌尾根は踏み跡が多く、間違えて戻った踏み跡ほどよく踏まれているものです。今回も一度厄介なところに踏み込みそうになり戻りました(汗)。独標を過ぎると槍ヶ岳の穂先に連なる幾つものの岩峰です。ガイドブックには北鎌尾根の末端から顕著?なピークにP1からP15の名称を付けてますが、独標(P10)と北鎌平手前のP15以外はあまりよく分かりません。今回のメンバーは岩場に慣れていたのでなるべく稜線通しに歩きました。また、P15手前は通常右側(千丈沢側)を巻くのですが、今回左側(間ノ沢側)の踏み跡をたどりP15のピークを踏みました。

9月9日14:00、槍沢ロッジに到着。槍沢ロッジ到着後、すぐに風呂に入れましたが一番風呂の熱さは半端でないです。

9月10日水俣乗越に向けてスタートしました。写真は水俣乗越の降りはじめです。急なのでお尻を付いて降りてますね。

天井沢の下りはガレ場の連続で、先行者とは距離をなるべく多く取ることが大切です。

急坂が終わると槍からの北鎌尾根が一望できました 。素晴らしい天気と眺望に、思わず記念写真!

沢の中で発見したザック。近くにボロボロになったシュラフもあり、持ち主のことを思わずにはいられませんね。

予想通り天井沢に水は無し。

予想外に北鎌沢で水が湧いていました。すかさず賞味!

9月10日12:00、北鎌のコルに到着です。

北鎌のコルで休憩。午後の早い時間ですが、自分たちが歩いてきた道を振り返り、素晴らしい景色を眺めながら、まったりした時間を過ごせました。

夜明けです。3日目の朝を迎えました。天狗の腰掛けで朝食をとります。

3日目のスタートです。まずは独標を目指します。

独標手前のコルから指をさす先に、難所と言われている被ったトラバースがあります。

難所の被ったトラバースを通過。ロープが張られてました。

北鎌のコルを出発して約4時間で独標山頂に到着です。絶景を背景に記念撮影。あまりの気持ちよさに顔がほころぶばかりでした。

ブロッケン現象も見られました!

独標からは槍がはっきり見えます。しかし、行程はまだ北鎌のコルから半分ほどの中盤戦といったところでしょう。

まだまだいくつものピークを越える行程が続きます。

稜線伝いだったのでロープを出して降りたりもしました。

終盤にさしかかりました。疲れも出てきている頃ですので、さらに慎重に登ります。

見上げれば槍の穂先は目前です。思わずヤッター!

最後のチムニーを登れば山頂はすぐそこです。

北鎌尾根制覇!山頂では、外国人グループが大勢いて大歓迎の祝福を受けました。この日は槍ヶ岳山荘に宿泊。翌日、上高地に向けて下山しました。天候にも恵まれ、充実した4日間の北鎌尾根山行でした。

※事務局より
ダンプリングでは少人数でのグループイベントもお引き受けいたします。気心の知れたお友達同士だけのグループ山行をダンプリングのガイディングでお楽しみください。ご希望の山域がございましたらお気軽にご相談ください。