不帰ノ嶮
白馬大雪渓を登り、白馬三山を経て不帰ノ嶮を進んで唐松岳へ至る縦走は、美しい山稜と険しい岩稜のコントラストが素晴らしい、登山者の誰もが一度は経験したい憧れのルートです。
【担当ガイド】
・小暮洋一
7月29日
初日は、白馬岳頂上宿舎泊まりなので、スタート時間は朝8時とゆっくりでした。まず、猿倉から大雪渓を目指します。
■初日コースタイム
猿倉8:00ー白馬岳頂上宿舎14:00着ー白馬岳15:00ー白馬岳頂上宿舎15:30
雪渓を抜け、石室~葱平と登っていきます。夏らしい雲とあたりを彩る高山植物に癒されながら、あと一息で白馬岳頂上宿舎に到着です。さすがに、日本有数の高山植物のお花畑が広がる白馬岳です。たくさんの種類のお花を見ることが出来ました。
7月30日
2日目、メインの縦走のスタートです。白馬岳をあとにして、三山の杓子岳、白馬鑓ヶ岳から天狗ノ頭、不帰ノ嶮を踏破し、唐松岳を目指します。
■2日目コースタイム
白馬岳頂上宿舎4:30―杓子岳(2,812m)6:00―鑓ヶ岳(2,903m)7:10―天狗山荘8:00/8:30―天狗ノ頭―不帰キレット―不帰1峰10:50―不帰2峰北峰12:00―不帰2峰南峰12:40/12:50ー唐松岳(2,696m)13:30ー唐松岳頂上山荘14:00
出発して3時間足らずで天狗山荘に着きました。天狗山荘は3年前に建て替えられ、建物も広くなって、見違えるくらい綺麗になりました。立地的に通過する登山者が多いいと思ってましたが、この日は満室で、多くの登山客が、唐松岳方面に向けて早々と出立していったと小屋番さんが言ってました。天狗山荘から天狗の頭までは緩やかな登りで、 天狗の頭から天狗の大下りまで、展望の開けた稜線のなだらかな下りが続きます。
天狗の大下りは不帰キレットまで約300mを降ります。 下りはじめにルンゼを下る鎖場があり、鎖が終わってから左に出るとしっかりした道があるのですが、間違って下り過ぎないよう注意が必要です。今回は少し下りすぎて戻りました。普段はロープが張ってあるのですが、ロープが切れていてわかりませんでした。ほかの登山者が間違わないように応急処置をしてきました。
コースの核心部となる不帰ノ嶮です。スリルがあり難易度も高いですが、手がかり足がかりはしっかりしていて安心です。一回目の核心部は鞍部から直上し、右上方へトラバースします。 途中で左上方に向きを変え、トラバースは続きます。 次いで岩の割れ目に架けられた橋を渡り、鎖を頼りに直上するとほぼ核心部は終了です。今回は鎖場ではカラビナを通し自己確保して登っていただきました。
不帰ノ嶮の西面の草付きのなだらかな道を進んだ後、簡単な岩場を登り、短い梯子を登ると展望が開け、正面には不帰ノ嶮二峰北峰が迫ってきます。 不帰ノ嶮二峰北峰から不帰ノ嶮二峰南峰を通過し、唐松岳までは鎖場などの難所はなく普通の登山道です。天候は良かったのですが、西面に入るとムっとする湿度の多い空気がカラダをつつみ、冷たい飲み物が欲しくなりました。
7月31日
最終日です。今日は下山のみで、八方池山荘からはリフトを2基乗り継ぎゴンドラで八方まで降りました。
■3日目コースタイム
唐松岳頂上山荘7:00ー丸山ー第3ケルン8:40ー八方ケルンー八方池山荘9:40