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レポート

【ちょこっとバリエーション】表・裏妙義山

【ちょこっとバリエーション】表・裏妙義山

2023年6月17日(土)~19日(月)の3日間で表・裏妙義山へ行ってきました。妙義山は西上州と呼ばれる山域の北部に位置して表妙義と裏妙義があります。
遠くから見ても顕著な岩山が続く山塊でバリエーションルートが幾つもあります。

【担当ガイド】
・小暮洋一

6月17日(土)表妙義・星穴岳

高崎駅に7:30に集合しガイドの車で中之嶽神社へ向かいます。梅雨の時期のせいか駐車場は空いていました。
ここでハーネス、ヘルメットを装着して出発します。道路を渡り金色の大黒様に見送られて神社を通り抜け急な石の階段を登っていきます。ここから山道になり、しばらく行くと第四石門との分岐にでて右へ行くと見晴台があります。ここに立ち寄った後、元の道を引き返し分岐から石門とは別の尾根道を登っていきますがここからは一般縦走路と離れてバリエーションルートが始まります。

しばらく登り、鎖の付いたルンゼを抜けると茨尾根のコルに出ます。ここを右へ行くと中ノ岳へ続き、我々は左の尾根に付けられた踏み跡を辿っていきます。最初の岩場が現れここは右上へのトラバースになりますが安全を期してロープを出して確保します。

分かりづらい道を赤テープと踏み跡を頼りに進んでいくと西岳のピークに出ます。ここからは眺めがよくこれから行く星穴岳がよく見えます。ここから少し下るとコルに出て岩にロープが回してある懸垂下降地点に出ます。ここの懸垂は50mありますのでダブルロープ2本で降りました。大きなハングのある洞穴を通りしばらく行くと星穴(射抜き穴)への下降点がありこれを通り越して星穴岳の山頂を目指します。10mほどの易しい岩登りになりますがここもロープを出してビレイしました。ロープの終了点から踏み跡を辿っていくと星穴岳の頂上に出ますが標識も看板も何もなく飛ばされてしまったのでしょうか。先程登った岩場を懸垂で降りて、通り過ぎてきた星穴の懸垂下降地点に戻ります。ここは20mの懸垂になります。最初はゆるい下りですがやがて垂壁から空中懸垂になります。この懸垂が星穴岳のハイライトとなります。

続けてのピッチも50mの懸垂になります。下りきったところから分かりづらい道をたどり中之嶽神社へ戻りました。

● コースタイム:中之嶽神社8:40~西岳10:20~星穴岳12:20~中之嶽神社14:40~宿15:30

6月18日(土)表妙義・金洞山縦走

高崎駅に8:00に集合しガイドの車で昨日と同様に中之嶽神社へ向かいます。
駐車場で支度をして道路を少し戻り石門群登山道という看板のところから始まる道を登っていきます。

ここは一般道とは言っても岩場と鎖場が連続して現れます。幾つかの鎖場を上り下りしながら進むと第四石門のある石門広場に到着しました。ここで懸垂下降の経験がない方がいらしたのでこの先の岩場での使用に備えて緩傾斜の階段を利用して懸垂下降の練習をしました。

大砲岩、天狗の評定などの石門群を辿った後に中間道を通って堀切入り口から堀切に上がっていきます。ここの分岐は少し分かりづらかったです。30分ほど急登を登ると茨尾根に出て縦走が始まります。

昨日よりは明瞭な道を行くとアルミ梯子が掛かっている場所に着き、これを登りきったところが鷹戻しの岩場になります。
鎖は付いていますが傾斜もあり距離も長いので安全のためロープを出して行きます。下から登っていくと途中で右へ曲がっているのでピッチを切り、更に終了点からは右下へのトラバースになるのでここもロープを使い全部で3ピッチで登りました。

次に現れるのは2段ルンゼです。ここは25mの鎖が2本付いています。最初の鎖はロープでビレイしながら鎖を握って降りてもらいましたが次の鎖はせっかく練習したので懸垂下降で下ることにします。平坦な所で練習しましたが高度感のあるところでは初めてなので慎重に行きます。
降りたところから進み、登り返した地点が東岳で眺めがとても良いです。登り降りを繰り返していくと中ノ岳へ到着します。ここの下りも15mの鎖が2本続きますが下の鎖は先程と同様に懸垂下降をしました。
やがてコルから昨日登ってきた鎖の付いたルンゼを下り展望台を経て中之嶽神社に下りました。

● コースタイム:中之嶽神社9:10~石門広場9:40~堀切11:20~鷹戻し12:10~東岳14:00~中ノ岳14:30~中之嶽神社15:40~宿16:30

6月19日(月)裏妙義・木戸壁

数々の岩峰とバリエーションコースを擁する妙義山の中でも唯一のクライミングルートとして知られる木戸壁は岩もしっかりとして比較的易しく、マルチピッチ入門として登られています。
宿を8時に車で出発して旧国民宿舎を目指します。ここの駐車場で支度をして丁須の頭に至る籠沢コースの登山道をたどります。約40分ほどで岩場に到着し基部で支度をして登り始めます。

このルートは右カンテルートと呼ばれ、1ピッチ25mで6ピッチで切られています。登っていくと凸凹のホールドが沢山あってハンガーボルトも要所々々に打ってあり人口壁のような感じです。
核心部は4ピッチ目で、右上してフェースから小ハングを超すところですがガッチリしたホールドとスタンスがあるので思い切って登ることが出来ます。最後は大ハングの下に出て終了となります。

終了点からは同じルートを懸垂で降ります。我々は1ピッチ目を50m2本で、後の4ピッチを50m1本を折り返して降りました。月曜日のせいか他のクライマーもいなくて静かなクライミングが楽しめました。

3日間お世話になった東雲館さん

● コースタイム:旧国民宿舎8:30~木戸壁取付9:10~終了点11:40~取付13:10~旧国民宿舎14:30