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レポート

剱岳八ツ峰上半縦走

剱岳八ツ峰上半縦走

2025年7月19日(土)~21日(月)剱岳八ツ峰に行ってきました。八ツ峰は剱岳の北東方向に伸びるギザギザした岩稜で、花崗岩と閃緑岩が混ざり合った岩峰が特徴です。昨年は雪渓の状態が良くなくアプローチに時間がかかってしまい途中敗退でしたが、今年は無事登ることが出来ました。

【コース】
1日目:扇沢–黒四ダム…ハシゴ谷乗越…真砂沢ロッジ【泊】
2日目:真砂沢ロッジ…長次郎谷雪渓…八ツ峰五六のコル…八ツ峰の頭…池ノ谷の頭…剱岳…別山尾根…剣山荘【泊】
3日目:剣山荘…別山乗越…室堂

【担当ガイド】
・小暮洋一

剱岳の八ツ峰は、日本三大岩稜の一つで、大小8つの峰が連なるバリエーションルートです。岩と雪の殿堂と呼ばれる剱岳を象徴する場所です。

黒部ダム

電気バスを降りたほとんどの人が黒部ダム方面に歩いていく中、旧日電歩道方面にトンネルを進みます。

日電歩道

トンネルからの出口で記念写真。気温が一桁台の寒いトンネルから表に出ると、朝なのにムッとした暑さを感じます。

黒部ダム下

黒部ダムを下から眺めるのも貴重ですね。観光放水がMAXで迫力がありました。

内蔵助平に向かいます。黒部川にはスノーブリッジが架かっています。

登山道にもスノーブリッジ?!そんなワケはありませんね。雪渓を高巻きして壁とのきわを下ってるところです。旧日電歩道は、下ノ廊下と呼ばれていて、黒部ダムから仙人ダムまでの区間を指し、電源開発のために作られた道で、現在は観光ルートとして人気がありますが、遅くまでこの様な雪渓が残り整備をするため全面開通は9月下旬頃のようです。

内蔵助平からハシゴ谷乗越をすぎ剱沢の掛橋を渡ればすぐに真砂沢ロッジです。昨年は大雨で橋が流されしばらく渡れない期間がありました。

真砂沢ロッジに到着です。1日目がようやく終わり、シャワーで汗を流し、夕食を食べ、明日に備え早々に布団に入りました。

3時起床。朝4時に出発します。天気も上々です。

長次郎出合から長次郎谷雪渓を登ります。雪渓はしっかりと上の方までつながっているようです。昨年はⅠ・Ⅱ峰間のルンゼの手前で切れていました。

真っ青な空の向こうに長次郎の頭が見えます。

V・VI峰のコルまでの登りも途中まで雪渓を登りました。この日はVI峰フェイスを登るクライマーの声が響き渡ってました。

VI峰に取り付き、1ピッチ50mを登りロープは一旦解除。後続のパーティーをやり過ごします。

緩やかな草付きスラブ帯を登り振り返るとⅤ峰のピナクルが眼下に見えます。

Cフェイスを登ってきたクライマーにいきなり「あれ!」。偶然にも、沢登や妙義の山でご一緒した方々でした。もう立派なクライマーになって頼もしいです。

チンネ

チンネ左稜線も蟻の行列のように、人、人、人でスカイクライミング(笑)

7峰

こちらはⅦ峰。Ⅵフェイスの頭から懸垂で下降します。

八ツ峰の頭

八ツ峰の頭最後の登りです。

八峰トップ

八ッ峰の頭での記念写真。充実感でいい顔されてますね!

クライムダウン

名残惜しいですがこの先も長いので、下山開始です。ここは通常懸垂で降りるのですが、池ノ谷ガリーを登ってくる登山者が見えたので、待ち時間も考え懸垂下降はせずに慎重にクライムダウンしました。ガレガレで浮石だらけなので落石を最小限にしなくてはなりません。

池ノ谷の頭へ

池ノ谷の頭への登り。傾斜はキツくないです。しかし、落石が起きやすい深いルンゼは避け、岩壁を登りました。ここから先はルートファインデングが重要となる稜線歩きとなるため、慎重に進みます。

北方稜線

長次郎の頭を巻いてピークを一つ越えようやく剱岳に到着です。

剱山頂

予定よりだいぶ遅れて山頂に到着。山頂には我々と源治郎からきたパーティーと北方稜線できたソロ登山者のみでした。

剣山荘

前劔、一服剱を経て、剣山荘に到着です。お疲れさまでした!

剱沢キャンプ場から

翌日帰路につきました。名残惜しい剱岳を背景にもう一枚記念写真!

別山乗越から室堂を望む

地獄谷が見えてきました。長かった剱岳八ッ峰の旅ももうすぐ終わります。3日間天候に恵まれ、充実した素晴らしい山行になりました。剱岳は奥の深い、本当に素晴らしい山だとあらためて実感することが出来た3日間でした。

※事務局より
ダンプリングでは、リクエスト山行を受け付けています。ご希望の山域がございましたらお気軽にご相談ください。ご相談は、お問い合わせよりお願いいたします。