前穂高北尾根
2024年6月14日(金)~16日(日)の2泊3日の日程で、今年も前穂高北尾根に行ってきました。シーズン前なので、登山道も小屋もどこもガラガラでいつもと違う雰囲気でした。
【日程】
6月14日(金)上高地~徳沢~横尾~涸沢(涸沢ヒュッテ泊)
6月15日(土)涸沢~5,6のコル~北尾根~前穂高岳~重太郎新道~岳沢(岳沢小屋泊)
6月16日(日)岳沢~上高地~松本~東京
【担当ガイド】
・小暮洋一
6時過ぎに5・6のコルスタート。いよいよ登攀開始です。岩場では陽もあたり、気持ちよく高度を上げていきます。北尾根はいつものように浮石だらけ、石が安定していることを確認して乗ることと、手を置いても引っ張らないで押さえること。注意することはこれだけ?!
3峰からロープを出しますが、最初の出だしの1ピッチ目が奥又白側にトラバース気味に上がってきます。靴幅くらいの棚で岩質も安定していますが、足元は奥又白側にスッパリ切れ落ちていて高度感たっぷりです。胸元に当たる岩を回り込むところで微妙な緊張感があったので、途中からロープを繋ぎました。右に回り込み流れが悪くなる頃、テラスの残地ハーケンとキャメロットでビレイ点をセットして、ビレー解除のコール。2ピッチ目はチムニーを抜けると声が届かなくなるので、チムニー手前まで15mだけ、3ピッチ目はチムニーを抜けて左の棚の小さなテラス。次に岩溝に沿って4ピッチを切りました。声が届きにくいのでやはり無線機は必要だったと反省です。
我々のパーティーだけだったのでゆっくりと登り、12時前に前穂高岳山頂に到着しました。記念写真を撮っているとき、あとから若者一人が登ってきました。尋ねてみると、なんと上高地を6時に出発したといいます!耳を疑ってどこのルートでと聞き直したところ、朝一のバスで上高地に入り横尾、涸沢、5・6のコルから北尾根と、我々と全く同じルートをたった6時間で登ってきたことになります。・・・唖然として、この世の人に見えませんでした。